こんばんは。
今回はTW200/225を所有し始めた方、今TW200/225を中古で探している、欲しいなぁと思っている方向けに、TWってそもそもどんなバイクなのという記事を書いてみました。
よくあるバイクなんでも紹介サイトにはテンプレのようなカスタム指南ばかり書いていることが多いので今回は視点を変えてノーマル車についてをメインに歴代販売モデル、販売背景、海外仕様についてクローズアップしています。
(この記事は2016年12月1日の記事を全面的に加筆修正したものです)
(全体的に加筆修正しました:2021/07/07)
TWって国内だとどんな感じだったの
TWシリーズの進化をまとめてみました。
究極のアドベンチャーバイクとして開発された2JL型
2JL 1987年式 TW200の諸元・スペック情報 | ウェビック
年式:1987〜
車体型式名:2JL
エンジン型式名:2JL
モデルコード:2JL
1987年、当時アメリカで発売され人気を博していたBW200というバイクをベースに、アドベンチャートレールをサブネームに冠し究極の冒険バイクを目指して開発されたのがTW200(2JL)。
BW200譲りのリアのバルーンタイヤは、セローをはじめとしたフルサイズオフロードバイクとは違う切り口でトラクションを稼ぐ強靭な武器になり、組み合わされるエンジンは16馬力と低めではありますが、敢えて中低速向けにセッティングすることで山を速く走るためではなく確実に目的地へ到達するための手段として開発されたもの。
全容量7Lというスリムで小さなタンク、低く長さのあるシート、52度という大きな切れ角を持ったハンドル、化け物のようなグリップを持つバルーンタイヤ、低速で粘りを持たせたエンジンによってトライアルバイクのような走らせ方をさせることもできたそうです。
また、TW独自の装備として高地など空気の薄い場所で燃料が濃くなりすぎてしまうことを防止するために、ノブを引くことで空気の流量を増やすことができる高地補正機能付き強制開閉キャブレター(TK製Y24P)を装備していました。
TWの発売直前にヤマハと冒険家・風間深志さんがタッグを組みTWベースのスペシャルマシンによって北極点に到達したことも有名です。
余談ですがこの車体、各メディア上ではTW200がベースだとよく言われていますが実際のところ市販車と共通なのはシートとタンク、リアホイールくらいでほぼ全ての部品がワンオフであり、エンジンに至っては2ストロークのTY250がベースのものになっており市販車とは全くの別物といっていい状態です。
現在も綺麗な状態で現存しており、山梨県の道の駅「みとみ」にて他の冒険仕様のセローなどと一緒に展示してあります。
ここまで書くと、かの有名なセローの大ヒットと同じようにTWも大ヒット…になるかと思われましたが、発売当時はレプリカ全盛期。
オフロードバイク全体も2スト全盛でありトコトコ走る需要はセローがほぼ全てのシェアを有していたため、TWは出る幕もなく全くの不人気バイクでした。
カラーリングを変更しつつ細々と生産されるも、そのまま注目は集まらず生産終了…となりかけた矢先、大きな転機が訪れます。
ドラマが元にTWが爆発的流行、そしてストリート路線への変更がなされた4CS型
仮面ライダーディケイド・電王・キバからキューティーハニーまで、あこがれのスーパーマシン一挙登場 - GIGAZINE
年式:1991〜(200Eは1998〜)
車体型式名:2JL
エンジン型式名:2JL
モデルコード:4CS
写真に写る一台のカスタムTW。
30〜40代の方ならバイクに興味がない人でも知っている方も多いかもしれません。
知らない方のために説明をすると、
2000年の1月から3月までTBSで放送されていたドラマ
Beautiful Life (当時の公式サイトのアーカイブ)
90年代後半、SR400などをはじめとしたシングルネイキッドや当時不人気で中古価格が底をついていたTW・FTR250などをベースに、カウルやフェンダーを取り外したり、エアクリーナーの小型化、ロングスイングアームの装着によるロングホイールベース化が流行っていました。
特に中古価格の安かったTWは、200ccという車体の小ささのわりにリアのバルーンタイヤのおかげで迫力があったこと、オフ車特有の低速の粘りがあるおかげで乱雑に扱ってもへこたれることのないエンジンを積んでいたことによりカスタムベースとして多くのカスタムショップが注目。そしてそのタイミングでビューティフルライフが放映され爆発的流行が発生。
で、それに目を付けたのかメーカー側も今までのオフロード色の強かった路線から一気にオンロード(ストリート)に路線変更。
1997年にはオフロード色の強いカウル付きヘッドライトを捨て、最終型まで採用され続けた丸目ヘッドライトを装備したTW200E(4CS)を発売しました。
結果として1998年には国内軽二輪部門で販売数トップに躍り出るという輝かしい実績を樹立します。
98年のベストセラー車(国内軽二輪) ヤマハトレール「TW200E」'99モデル新発売 - 広報発表資料 | ヤマハ発動機株式会社
ちなみにモデルチェンジはされましたが旧モデルの角目カウル付きモデルも2000年の5LB発売まで併売されており、そちらのモデルはEの表示が無くTW200としての販売が続けられていました。
ついにディスクブレーキ化、オフロード色の消え去った5LB型
ヤマハ(YAMAHA) TW200のカタログ・諸元表・スペック情報-バイクのことならバイクブロス
年式:2000〜
車体型式名:DG07J
エンジン型式名:G315E
モデルコード:5LB
ノーマルのTWといえばこのイメージだという人も多いはず。
スカチューンブームの到来によりストリート需要が高まった2000年、ついにヤマハはTWの大幅なマイナーチェンジを行います。
このマイナーチェンジの主体は環境規制対応で、TWのファットなスタイリングを継続することを念頭に置きつつ街中のコミューター的側面からベテラン層のお遊びバイクとしてまで幅広く支持され続けるために,基本性能・基本機能を向上させることとしました。
旧4CS型からの大きな変更点は4つ、
- 高地補正キャブの廃止
コストをかけずに排ガス規制対応を行うために当時主流だったAI(排気への2次エア導入)システムや触媒追加を追加せず、キャブレターを新規に開発することで規制をクリアさせました。
また、ストリート仕様において扱いやすいマイルドな特性や燃費の良さが重視する方針となったため、鋭いレスポンスが持ち味の強制開閉キャブから一般的な負圧(SU)キャブ(TK製MV28、ただしベンチュリ径は26mm)に変更となりました。
- フロントに220mmディスクブレーキ採用
初代からオフロードにおいての信頼性と瞬間的な制動力の高いドラムブレーキが採用されていましたが、シティユースへの浸透のため見た目の良さと細かいブレーキタッチの調整のしやすさを優先し、先にヨーロッパで販売されていたTW125で実績を得た220mmディスクブレーキが採用されました。
- タートルシェル(亀甲)パターンのロードタイヤの採用
オフロード色を強く残すブロックタイヤが採用されていたTWでしたが、ストリート需要が高まり街中の舗装路での快適性や騒音規制対応による静粛性が求められ、ブリジストンによってロードタイヤが開発されました(TW203/204、共に現在は生産終了)。
- 発電機の三相交流化
2JL時代からのオーナー共通の悩みとしてヘッドライトが暗い(特にアイドリングなど低回転時に顕著)という問題がありました。これは当時単相交流という発電方式を取っていたのが理由で、小型軽量な発電系統になる利点はあるもののエンジンの回転数によって発電量がシビアに変わることにより電装系が不安定になっていたのが原因でした。これを三相交流に変更することによって同じ回転数での発電量の増加、低回転での安定化を図りました。
この他ハンドルスイッチの変更、マフラーの内部構造変更、ウインカーリレー取り付け位置変更、オートカムチェーンテンショナーの採用、ステムベアリングのリテーナー装着など細かいところまでかなり手が入るマイナーチェンジとなりました。
このユーザーの扱いやすさに特化した改良と、上記のドラマの放送によってどんどんTWの販売数は増加していきます。
結果として、この5LB型は販売期間は2年間と短い期間でしたがモデルチェンジまで軽二輪販売台数ランキングトップを維持し続ける結果となりました。
また、初代発売から14年経っているにも関わらず(しかもマイナーチェンジレベルの変更に留めトータルバランスとしては初期型とほぼ全く変わらないまま)2000年末での登録台数約五万台のうち80%がここ5年に集中するなど、一般的なバイクと違うTWの特異な人気ぶりがわかる結果となっています。
軽二輪クラス、3年連続ベストセラーが斬新なニューカラーで登場 ヤマハ「TW200」2001年モデル発売 - 広報発表資料 | ヤマハ発動機株式会社
↓TW開発陣による技術的解説が載っている貴重な資料です↓
初めての大幅なモデルチェンジ、TW225(5VC)の登場
年式:2003〜
車体形式名:DG09J
エンジン型式名:G328E
モデルコード:5VC
2002年、ヤマハはTWに初めての大幅なモデルチェンジを決行します。
TW225(5VC)の登場です。
旧来の200ccモデルからの大きな変更点は4つ、
- 223ccエンジンの搭載
市場からもう少しパワーが欲しいとの声に応え、元々の196ccエンジンからセロー225系と同じ(エンジン型式は違いますが)223ccエンジンに排気量アップ。これにより馬力が2馬力あがり18馬力になりました。
- キック連動デコンプの搭載
キック始動を楽にするために搭載されているもので、SRなどのように手動でスイッチを動かすことなく連動で作動します。外見上では排気側のタペットカバーから伸びてクラッチカバーに刺さっているワイヤーが該当部品で、この影響でデコンプを生かす場合クラッチカバーが旧年式のTWやセロー等と互換性が無く、破損時の交換の際は注意が必要です。
- リアブレーキドラムの大型化
5LBへのモデルチェンジの際にフロントディスク化を果たしたTWでしたが、今度はリアのドラムブレーキが貧弱である(実際ブレーキシューはビーノやジョグなど50ccスクーターと共通だった)との声を受け、2JL時代のフロントドラムブレーキと同径の130mmドラムを採用しました(ただしそれでもニュースメイトやギアと変わらないという)。
- 新デザインのカウルなど外装のデザイン変更。
TWのさらなる軽快さを表現するためリアシートカウル、リアフェンダーのデザイン変更、従来の二連角型メーターからスピードメーターの丸型化とインジゲーターユニットの小型化、スリムなタンクのデザインはそのままに回しにくかったタンクキャップをセロー系と同じ小さなキャップへの変更が行われました。
このモデルチェンジにより完成形となったTWは、その後毎年のカラーリング変更のみにとどめ、2007年の誕生20周年記念モデル(上記画像)の発売を最後に”日本仕様の”販売を終了しました。
生産終了の原因としては排ガス規制をクリアできなかったことが取り上げられていますが、背景としてスカチューンブームの終焉や趣味としてのバイク需要自体の減少により年間販売台数が大きく減少した(メーカーの販売目標も500台単位で年々減少していました)ことが大きいのではと個人的には思います。
国外仕様のTW
現在でも新車が製造されている
残念ながら日本国内では販売終了してしまったTWですが、
こんな感じでアメリカなどでは現行車種なんですよね。
DualSportsとしてアドベンチャー系でカテゴライズ(WR250Rと同じ枠!)されており、向こうのライダー達も日常の足から大陸縦断チャレンジまでかなり幅の広い使われ方をしています。
初期型や角目4CSモデルをイメージさせるその姿はほとんど進化がないのでは?と思う方もいるかもしれませんが、排気量は変わっていないものの日本仕様と時を同じくして進化を続けており、チャコールキャニスタや各種リフレクター、ウインカーポジションなど北米仕様独特の装備を手に入れつつ現在も販売を続けています。
あくまでも個人的な主観ですが同時併売されている北米仕様のXT250やXT225の人気を見ると、日本と海外でTWとセローの立場が逆転しており不思議な感覚です。
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オフロード色の強い初期の国内TWのイメージを色濃く残し、熟成進化していった現行モデルはロンスイ・スカチューンカスタムが全盛の国内TW乗りにとって新鮮に見えるのではないでしょうか?
TW125という存在
1999年から2004年までヨーロッパ圏で販売されていた125ccのTW。
元々TW/セロー225系列のエンジンはXT125というオフロードバイクのエンジンで、このエンジンをボアアップせずにそのままTWに転用したものとなります。
外見上の違いは、
- リアマッドフラップの装着
- モデル廃止まで旧型の四角いウインカーのまま
- モデル初期からディスクブレーキを装備
- キックレバーがない
- シリンダーヘッドのサイドカバーのデザインが違う
この辺りでしょうか。
2002年モデルから丸目化されましたがウインカーは角形のままだったり、角目ビキニカウルの初期モデルでもディスクブレーキを装備(実は200ccモデルよりディスク化が早かったりする)しているので、ノーマル個体であれば見分けはつきやすいかもしれません(当然125なのでピンクナンバー)。
また、基のエンジンの系譜による違いなのかシリンダーヘッドのサイドカバー(カムチェーンプーリーのカバー部分)のデザインもTW200/225と違うようで、TW125はここの部品が円型で冷却フィンが半分より下から始まっています(SR125と同じ形)。
こちらはスカチューン車でも判別がつくので、似た形状の他形式のエンジンに積み替えられた疑いがある際に判別ポイントになります(例:YD125のエンジンは125ccですがここのカバーがTW200などと同じデザインです)。
国内へは並行で少数入ってるようなので運が良ければ見ることができるかもしれません。中古車の販売も出ているようです。
↓TW125についてクローズアップした記事を書きました↓
んで今どんなの乗ってるの
TWシリーズの紹介が終わったところで、続いて私のTWの紹介をば。
ベースは2000年式のDG07Jです。
カラーはライトブリティッシュブルーメタリック。
メタリックブルーのタンクにベージュのカウルという色でした。
…見ての通りカウル関係は一通り交換しているので購入時の面影は全くないですが…
前所有者は学校の先輩。
入学前に探していたところに売りたいという話が入り、一度流れたものの、やはり生活上必要ではないかということになり相談。免許取得まで待ってもらえることになり、教習所を卒業後購入しました。
コンセプトは現代版オフロードTW。
カラーリングをブラック/ブルーに統一し、出来るだけ純正の持ち味をさらに引き出すようにカスタムしています。
個人的に気に入ってるのは本物北米モデル(2005年式)のシートですかね。
通常であればこのカラーリングをシート屋さんで特注してもらうのがセオリーのようですが、どうしても純正シートを使いたかったので現地に店を構えるショップにお願いして輸入してもらいました。
当然国内でこのシートを使っているのはおそらく私だけでしょう。
今後の予定
一通りやりたいところは手を入れることができたので、次は長く維持するためのカスタムやメンテナンスを行っていけたらいいなぁと考え中です。
いくつか抱えているトラブルもあるのでそこも解消させていきたいところですね。