TW200に80mmワンオフロングスイングアームを取り付けた

こんにちは

めぐさんです。

 

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2年越しのスイングアーム装着、やっと終わりました。

(2021/04/21:スプロケット交換を追加)

 

 

バギータイヤにはロンスイが必須です

一部のTWマニアに大人気のバギータイヤ。

 

マキシスのラインナップサイズに代表される26x9ー14というサイズですが、このサイズは純正スイングアームにタイヤのブロックが接触してしまうという問題があります。

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私の場合極限までスイングアーム周りで接触してしまう部品をグラインダで切削し、更にアクスルシャフトを斜めにオフセットさせて装着させ少しずつスイングアームでタイヤを削るというという限りなく黒に近いグレーな方法で装着しており、

ある程度タイヤが削れて正しい位置にアクスルシャフトを戻せた現在でも左右に車体をバンクさせるとマフラーの内側にタイヤが接触し溶けてしまうという大きな欠陥を抱えて乗っていました。

 

これを解決するのがリアタイヤをスイングアームの付け根から離してしまうロンスイの装着ということになるのですが、ここで一つオフロード仕様として運用するTWにとって非常に大きな問題があります。

 

市販のロンスイ長すぎない?

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(画像は純正スイングアーム+純正テールカウル、理想はこの位置関係を維持できる事なんですが…)

TWのロンスイは現在最短でも15cm、長いものだと30cmロングのものが販売されているのですが、ここでネックになるのがこの延長量があまりにも大きすぎるということ。

 

最短の15cmロングでも純正タイヤで200のテールカウルからタイヤがはみ出すくらいの長さになってしまいます。

 

それに輪をかけて純正のリアタイヤより外径のあるバギータイヤを装着するわけですから、セクションの水たまりに突っ込めば跳ね上げた水しぶきを背中にモロに食らってしまうわけです。

更に何度もフルバンプする事でフェンダーレスの車両でさえもナンバープレートとタイヤが接触してしまうリスクが跳ね上がり、当然ながら純正フェンダーを装着していれば…あとはどうなるかは想像つきますよね。

 

残された道は一つだけ

というわけで残された道は一つしかありません。

 

スイングアームのワンオフ加工です。

 

幸いスイングアーム自体は鉄なので溶接しやすい素材ではあるのですが、やはり重要部品の切断再溶接という精度と技能が必要な作業。

 

結局10件ほど問い合わせをしましたがトラブルの際に責任が取れないと作業を断る店がほとんどで、中には20万以上の見積もりを提示し納期は未定(最低半年)というとんでもないスケジュールを提案してくるお店もある始末。

 

そこで悩んでいた時にTwitterのフォロワーさんでありTWでエンデューロに参戦している事で有名な方が紹介してくれたのが大阪のGoodsというお店。

 

www.mggoods.com

とても有名なお店なので皆さんご存知だとは思いますが、昔からTWやSR、エストレヤなどストリートバイクやハーレーをはじめとしたアメリカンなどを非常に幅広くカスタムしている事で有名で、モーターサイクルショーや様々なカスタムショーで実績を残し、多くのメディア出演経験を有しているショップです。

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こちらのお店に話を通していただき、数度の打ち合わせを経て純正スイングアームを二台分用意してニコイチにするという形で80mmのロンスイを製作していただくことができました。

 

完成したロンスイがこちら

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今回お願いしたのがスイングアームの延長とそれに合わせた純正チェーンカバーのステー部分の移動、黒の塗装仕上げ、そしてこちらで作業ができないプレス機を使うブッシュやカラーの交換作業。

 

仕上がりは見ての通りバッチリで、使い込んでクタクタになった私のTWには綺麗すぎるほど。

塗装も簡易的な缶スプレー塗装かと思いきやスプレーガンによるウレタン塗装を更にコンパウンドで磨き上げ、正に鏡面仕上げといった感じです。

 

 

交換作業

純正アームを取り外す

取り外す作業自体はそこまで難しくはありません。

ポイントとしてはジャッキアップする前にチェーンのクリップやカシメを外しリアタイヤをフリーにする事と、アクスルシャフトやスイングアームのナットを緩めておく事。

特にスイングアームのナットは普段の整備で緩めないので先にトルクを抜いておかないと、ジャッキアップ後に外すのにかなり苦労します。

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また、自動車用のリジッドラックにステップの基部を乗せてやる事でかなり安定した状態でリアタイヤを浮かせられます。

(注:実際にやってみるとわかりますがこの場所にリジッドラックを入れるために、ジャッキアップは前後のタイヤが浮くレベルまで上げなければいけないので一人でやるとかなり不安定になります。必ず二人以上で作業してください!)

通常のバイク用ジャッキやスタンドだとリアタイヤを脱着する際(特にタイヤを戻す際に)重心が大幅に動くので高確率でどちらかに倒れる可能性があります。

この方法だと自分から倒さない限りはグラつくこともないのでおすすめです。

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リアタイヤを外してしまえばリアサスのピンとスイングアームのシャフトを抜けば簡単に取り外せます。

この二つのピンとボルトを外すとスイングアームが落ちてくる事があるので先に膝にスイングアームを乗せて支えてやると安全です。

 

外したアームとの比較

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真ん中あたりを切断して再溶接したような感じでしょうか?

最初からこうだったと思うくらいに綺麗な仕上がりでオフロード仕様には勿体無いレベルです。

 

お願いしていたチェーンカバーのステーもしっかり移動されていて、問題なく装着可能。

純正アームに9インチ幅のバギータイヤを取り付けるとチェーンカバーの内側が接触してしまうのですが、加工によりちゃんと綺麗に避けてくれました。

 

ロンスイの取り付け

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各部にしっかりグリスを充填し外した逆の手順で取り付ければ作業は完了なのですが、ポイントなのが摺動部やネジ山の塗装を削ってから装着する事。

飛び石などで簡単には剥がれないように分厚い強力な塗装がされているのですが、この厚みが各摺動部のクリアランスを大幅に狭くしているので各部の動きが渋くなったり、画像のようにピンが入らないこともあります。

 

これはマスキングにより仕上がりが汚くなってしまうことを避けるために仕方のないことなので、装着の際にこちらで修正してしまいましょう。

チェーンカバーやガードのネジ山も一度タップでさらっておく事でスムーズに取り付けが出来ると思います。

 

ブレーキロッドの延長

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最後にブレーキの調整です。

TWのリアブレーキはドラムのためこのようなロッドを使っているのですが、80mmロンスイにすると純正ロッドの調整幅を超えてしまいます。

 

そこで画像のような部品をホームセンターで購入して延長してやりましょう。

必要なのはM6の全ネジ、高ナット、スプリングが一つと通常のナットが二つ、そしてネジロックです。

 

作り方は非常に簡単で画像を見ればわかると思いますが、私は純正スプリングのスペアを在庫しているのですでに装着していた純正スプリングをカットして使いました。

 

最後にロンスイによりチェーンの長さが足りなくなったため、長さの足りる140リンクのものを必要な長さに詰めて装着。

今回はDIDの428VXシルバーチェーンを使用しました。

 

これで全ての作業は終了です。

 

こんな感じになりました

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バギータイヤの装着によりぎゅっと詰まった雰囲気だったリア周りが程よく伸びたことにより見た目の前後のバランスが取れたような感じです。

もちろんアームとタイヤ類の接触は皆無。

実はマフラーもバンクさせるとタイヤと接触してしまっていたのですが、これで接触しなくなりました。

 

走行フィーリングはかなり直進安定性が上がったことに加え、支点からの距離が伸びたことによりリアサスが動くようにもなりました。

私の体重は50kgを切っているため今までは固すぎてしっかり意識しないと動かないような感触でしたがこれによりかなり乗り心地も改善したような印象を受けます(逆に体重のある方は強化スプリングにしてもいいかもしれません)。

 

ドリブンスプロケットの交換(追記)

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発注したのが遅く、スイングアーム組み付け時にまだ届いていなかったドリブンスプロケットを交換。

ISAの43丁から同じISAの43丁への交換なのでセッティングが変わるということはありませんが度々発生していたチェーン外れや破断によりかなりボロボロになっていたので交換することにしました。

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当然ながら取り付けボルトやナット類、回り止めのプレートも同時交換。

 

新品は気持ちがいいですね。 

 

今後の予定とか

現在このTWはほとんどのカスタム予定が完了しており、残すカスタムは大規模な溶接加工や専門業者に作業を必要とする大掛かりな作業がほとんど。

 

一度載せ替えとボアアップをしているものの、車体は20年落ちをついに突破し所々痛みが多い場所が増えてきたため、今後はブラッシュアップを含めた内容が多くなりそうです。