XT250T流用タコメーターに汎用電圧計を埋め込んだ

こんにちは

 

 

 

すっかり更新をしていないまま年末に入ってしまいましたが皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

 

この記事は山川海さん主催のやまかわアドベントカレンダー Advent Calendar 2023 第8日目の記事です。

adventar.org

 

買ってよかったモノ、さわってよかったコトや技術についてということで、テック系ジャンルを触れていない私は今回もオートバイに関する記事を書くことに。

 

今年はあまり追加購入や新規作業をしていませんでしたが、大掛かりではないものの色々と加工を施して装着したアイテムがあるので買ってよかったモノ、さわってよかったコトとして紹介していきたいと思います。

 

 

電装部品を追加したなら電圧計は必須

私のTWには現在フォグランプやUSB充電口などの部品を装着しています。

 

各部のLED化などによりバッテリーや充放電系統への負担は減らしていますが、それでもやはり心配なのが電圧不足。

 

追加部品を100%の力で活用できるかのチェックは勿論、扱う電力量も増えてくるので充放電系統のトラブルはつきもの。

深刻なダメージを出先で負わないためにも、電圧計を設置することである程度の正常な状態・異常な状態を早期で把握することが出来ます。

 

KOSO製メーターを取り付けていました

バイクを購入し初めての追加電装部品(18Wフォグランプ)を装着した際に念のためと追加装着したのがKOSO製の電圧計。

 

この製品自体はバイク用電圧計のカテゴリ内で実売3,000円を切るかなり安価なもの。

配線がかなり細いので取り付けに気を遣いますが、即座に電圧が確認できる大きな文字盤で過酷な環境にしっかり耐えてくれる優秀な電圧計でした。

 

取り付けから6年が経ち、現在も問題なく使用できていますが一つだけ大きな問題が…

 

取り付け位置をなんとかしたい

これはTWに限らずオフロードバイク全般に言えるものですが、この手の後付け計器はトップブリッジやハンドル中心部に装着するとハンドルバーパッドに干渉し視認性が悪いんです…。

 

実際にバイクにまたがるとこんな感じ。

電圧計装着時の写真が無いのが申し訳ないですが、1つ前の写真の装着位置だと電圧計の上半分が隠れて見えなくなってしまうというのがなんとなく想像できるかと。

 

いっそのこと点検用途に絞ってシート下のバッテリー近辺に装着するか…なんて考えもありましたが、フォグランプや電装部品が動作している走行中にチェックすることが多いためメーター周辺がセオリー。

…なんですが、TW200の純正メーター&XT250Tの流用メーターにPolisportの小さなオフロードライトキットの組み合わせではメーター周辺に60mmx30mmのユニットを設置する余裕は残念ながらありません。

 

これは純正ライトを装着している場合も同様で、装着する場合にはかなり目立ってしまう場所に装着させなければいけません。

また、配線を隠すことも難しく、「魅せる」レイアウトで考えなければならないなどスマートに装着するには程遠い状態になっているのが現状です。

 

別の電圧計を探してみる

というわけでKOSOの電圧計はあきらめて新しい電圧計の導入を考えてみます。

オートバイ用設計の電圧計

ほかに使えそうな電圧計が無いか探してみました。

基本的に外付けになるので防水性能がしっかりしているもの、取り付け位置の選択肢が増えるようにKOSO製電圧計よりも寸法が小さいことが条件となります。

 

…いくつか検討できるものはあったものの、残念ながら条件を満たせるものはありませんでした。

 

最大の問題は本体寸法。

実はKOSO製の電圧計自体がオートバイ用電圧計の中ではかなり小さい方なので、これ以下となるとTrailTech社製のものが該当する程度。

時計機能や電圧低下のワーニング数値を自由に設定できるなど便利な機能を搭載していますが、それでも寸法はKOSO製とほぼ変わらずデザインも装着する場所を選ぶような感じ。

 

この他だとアナログメータータイプやデジタルでももっと大きいものしか見つからず、とりあえずこの時点でバイク用のものは選択肢から排除としました。

 

汎用のものを探してみると…

そうなってくると思い浮かぶのは汎用性のもの。

自動車用ではなくガジェットや家電にDIYで装着するタイプのものです。

 

こうなってくると選択肢がぐっと広がります。

いくつか製品を探してみて発見したのが、シンプルな2線式の電圧計。

実際に購入したのはこの製品の青い文字盤のモデルですが廃盤扱いのため赤文字盤を掲載

秋月などでも同様の製品が販売されていますが、VKLSVANブランドのものは30Vまで対応しています。

 

30mmx15mmという小ささで、2個入りで600円弱という驚きの低価格。

失敗しても予備があるので気兼ねなく加工が出来るのも大きな利点です。

 

今回はこれを購入してみました。

 

装着場所をどこにする?

こうして到着した電圧計。

 

屋内使用というか電子機器に組み込む前提なので、当然ながら裏側は基盤剥き出し。

防水のぼの字も無いわけですね。

 

そうなると収めておくケースか何かを買おうか、それともどこかに自作するか…と悩んでいたところ見つけたのがこの場所。

 

上下が逆

タコメーター下部です。

私のTWにはXT250Tのタコメーターを流用して取り付けているわけですが、この場所に埋め込むことが出来るならかなりスマートに装着できるのではないか?と思いつきました。

これなら配線をメーター内に隠すことができるので「魅せる」形で取り回しを考える必要も無いですし、スピードメーター側にはこの位置にトリップ計がついているので左右でバランスよく違和感なく埋め込むことが出来ます。

視点的には少し覗きこむ形にはなりますが、少なくともハンドルバー下よりは視認は楽なはず。

 

本体加工

ここからは実際に埋め込むための作業を紹介します。

 

配線の入れ替えと本体の防水加工

文字に起こすと大掛かりな感じがしますが難しいことはありません。

 

既存の配線が細く短いので太い配線にはんだし直すだけ。

 

ただし、はんだ付け出来る範囲が小さいのではんだ付けを済ませたら振動で外れないように配線の根本を固定する必要があります。

 

今回はちょうどよく手元にUVレジンがあったので裏側の防水を兼ねてガッツリ固めてしまいました。

硬化後は絶縁性があるのでショートの危険性は勿論ありませんし、かなりしっかり固定できます。

 

タコメーター側の加工

 

今回は中古のタコメーターを新しく用意しました。

現在使用中のメーターを開けてもよかったのですが、経年劣化で針が大きく振れるようになってしまっていたのでリフレッシュを兼ねて交換することに。

 

不要になったタコメーターは今後の中古部品枯渇対策として、社外部品や他車種流用を活用した内部ユニット入れ替えの実験をしてみようかと考え中です。

 

メーター本体の分離

経年劣化によるクラックが発生していないかをチェックしたらメーターの分離に入ってみましょう

 

今回は裏側から多数の穴を開け、その穴をカッターやドライバーでつなぐように切り込みを入れていく方法を使いました。

持っている方は電動工具やエアツールを使用しても良いと思います。

 

ここまで分解する必要はないですが、分解後はメーターの針に直結しているパーツに多数のホコリやゴミがが付着するのでしっかりと掃除してしまいましょう。

この際真ん中の渦巻き状になっているスプリングを曲げてしまわないように注意。

 

メーターへの穴あけ

本格的な加工に入ります。

 

LEDインジゲーターとの位置関係を確認しつつ丁度いい場所に位置決めをしたら、電圧計より少し小さめにカット。

あとはひたすら隙間なく嵌るように少しずつ削り広げていきます。

 

こんな感じにきれいに嵌りました。

 

カバーレンズの作成

このまま剥き出しにしたいところですが、当然ながら隙間から水分が入り込んでしまいますし野晒し環境では電圧計の経年劣化を加速させてしまう原因にもなります。

 

メーターにハマるカバーレンズを作りましょう。

 

今回は透明プラ板UVカットクリアを塗装したものをカバーレンズとして使用しました。

四角いので切り出しはとても簡単ですが、念のため少し大きめにカットしてピッタリ嵌るように少しずつ削り込んでいます。

 

淵を黒く塗って接着剤で固定。

隙間にレジンを流し込んでおくと確実な防水加工になります。

 

電圧計の固定

エポキシ接着剤やレジンで完全に埋め込んでしまっても良いですが、防水構造の無い安物の汎用電圧計なので破損を考えると簡単に交換できる構造にしたいところ。

 

というわけでユニットをねじ止めできるようにしてみましょう。

 

まずは爪楊枝でねじ山を保護したナイロンロックナットを適切な位置に接着。

ズレないように出来ればいいので瞬着で点付けで充分です。

 

ワッシャーで良い感じに高さを合わせたら、エポキシ接着剤を覆いかぶせるように流し込んでナットを固定してしまいます。

 

これでねじ止めできるようになりました。

ナイロンロックナットなので比較的弱めのトルクでも緩みにくいはず。

今回は時間の関係で行いませんでしたが、接着面をやすりで荒らしておけば相当無理やり剥がさない限りは外れることは無いかと思います。

 

あとは配線を外に出してバイクに結線し、メーターを車体に固定すれば完成です。

 

 

完成

こんな感じになりました。

純正のような仕上がりとまでは言いませんがかなりスマートに埋め込めたかと…。

見ての通りメーターの数字より液晶の数字の方がサイズが大きいくらいなので走行中に視界に映り込む程度でも電圧のチェックは問題ありませんでした。

 

取り付けから数か月経ちましたが今のところ本体不良やレンズの曇りもなく使用できています。

電圧に合わせて本体の照度も上がる仕組みなので、日中では若干暗いかな?という気もしますが実際そこまで気にはならず。

 

夜間は充分な明るさで実用性はバッチリ。

 

パーツはスマートに収めよう

今回は電圧計の埋め込み作業についての記事を書きました。

 

良い感じの設置スペースを見つけにくいオフロードバイクや小型車においては、微妙な隙間をどう生かすかによって車両全体のバランスが変わってくると思います。

 

同じ方法で時計や油温計なども追加できるので皆さんもぜひ試してみてください。