キャブのチョークレバーをハンドルスイッチに移植する

お久しぶりです。めぐさんです。

忙しかったりネタが切れたりトラブルに巻き込まれたり引っ越ししたりと色々なことをしているうちに、気が付けば一年が過ぎそうになりましたが何とか生きている私です。

ちなみにTwitterは基本的に動かしません、今後もし必要があれば更新しますが何かあれば継続しているインスタの方が早いかと…

 

今回は久々に記事として書けそうなネタができたので書いてみたいと思います。

 

キャブのチョークが見えない

現在私のTWにはKEHIN製PE28が装着されています。

(撮影用なのでフューエルホースにクリップがない)

強制開閉キャブですが、セッティングの難しさはあるものの、決まってしまえばスロットルに対するピックアップが非常によく気に入ってる製品です。

 

…なのですが、一つ不便に思っている点があります。

 

それがチョークレバーです。

 

私の車両は寒い時期や朝の気温が低い状態での始動にチョークレバーを使用するのですが、このチョークが純正のように横向きではなく上向きなのでエンジンの奥の方に手を突っ込む必要があるのです。

 

始動時は特に気にする必要が無いのですが、暖気後にチョークを戻す際アチッとした経験が何度かある他、林道などを走っているとチョーク周りが泥で汚れてしまうので手が汚れてしまい使用を躊躇うことがあるのでここを何とかしたいと考えていました。

 

きっかけはハンドルスイッチ交換

何年か前の話ですが、TWにハザードとウインカーポジション、パッシングが欲しいということでXJR1300のハンドルスイッチを移植しました。

このハンドルスイッチに選定した理由として、XJR1300のキャブ車にはハンドルスイッチの部分にチョークレバーがあることも理由の一つだったのです。

 

この時点でやや見切り発車気味ではあったのですが、PEのチョークもPWK用ではあるもののロングチョーク化キットの存在を知っていたので、すり合わせさえすれば簡単に行けるかな?という考え方でした。

 

どうやって移植する?

移植といっても大幅な加工や溶接などそこまで大々的なことをする必要はなく、あくまで部品を取り寄せてそのままポン付け…という予定だったのですがちょっと事情が変わったのでそのあたりもセットで紹介します。

 

まず最初に購入したものがこちら:

キタコ チョークプランジャASSY

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通常のチョーク部品の代わりに差し込む部品でこちらからワイヤーを伸ばしハンドルスイッチに持ってきます。

 

ヤマハ純正部品 5EA-26330-10

www.cmsnl.com

XJR1300のチョークワイヤーASSYです。

 

こちらの部品を組み合わせて装着するのですが、ここで一つ問題が。

 

チョークプランジャにワイヤーのタイコが入らない

画像を撮るのを失念してしまっているので代用品ですが、XJRのインナーワイヤーは両端に画像のような6x6mmのタイコが装着されています。

 

一方でチョークプランジャには画像のような切り欠き付きの穴(画像の真鍮プランジャはKN製ですが材質が違うくらいでそこまで大きな違いはないです)が開いており、径は約4mm。

 

当然ながら入るわけもなく、はてさてどうしたものかともう一度検索してみると…

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画像左側をチェックして頂けるとわかるのですが、明らかに小さな縦長のタイコが装着されているのが分かると思います。

このサイズのために設計されている穴に6x6mm相当のタイコが入るわけがないですよね…

 

タイコ自作は難しい

じゃあどうするかということでまず一つ目に思い付いたのが、「インナーワイヤーのタイコを作り変える」という方法。

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以前この記事を見かけた際、たしかにこの方法なら適宜ワイヤーの長さを調整出来て便利そうだなとは思ったのですが、6x6mmのワイヤータイコを作り変えるならまだしも4mm相当の穴に入るパイプを切り出してワイヤーを通し、中にはんだを充てんするという方法で強度を出すことができるのか?という点で疑問を生じもう少し考えることに…。

 

で、いつものようにバイクの部品量販店に行ったのですが、こんな商品を発見しました。

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簡単に言えば、出先でのスロットルケーブル破断時に使う応急用インナーワイヤーです。

 

TWの純正キャブだと両端のタイコが6x6mmタイプなのですが、PWKやPEのように直引きタイプのキャブだと3x4mmを使用しているメーカーが多いんですよね。

片側は鋳造一体の3x4mmタイコ、もう片方はワイヤーのままで付属のイモネジで固定するタイプの6x6mmタイコが装着できるようになっており、ユーザーが自分のスロットルケーブルに合わせてワイヤーをカットして先端にタイコを取り付ける…という算段です。

 

この3x4mmタイコ…チョークワイヤーに使えるんじゃないかと。

 

…ジャストフィットでした。

 

車体に装着する

ここまでくれば後は簡単なもので、元のワイヤーの長さに合わせてカットしてインナーワイヤーをカバーに通し、先端に6x6mmタイコを装着するだけで本体は完成です。

 

基本的に応急用タイコなので本来なら先ほどの記事のようにはんだで固定するべきなのかもしれませんが、スロットルやクラッチのように一気に何度も使用することがない点や、あくまでスプリングを縮めるだけなのでそこまで強いテンションが接合部にかかるわけではないこと、(まず問題ないとは思いますが)新品ワイヤーでなおかつアジャスターがないのでワイヤーが伸びて再調整が必要な際面倒なのでイモネジ固定のままでいくことにしました。

 

左が元々ついていたPWK純正プランジャ、右が今回装着するキタコのチョークプランジャです。

若干根元のスプリングが浮いているので右のチョークプランジャの方が解放時長く見えますが、きちんと取り付けると元のチョーク解放時と同じ長さになります。

もちろんチョーク動作時の長さもそろえる必要があるので、先にキャブにプランジャを装着する前にハンドルスイッチに仮付け作動させて適正な引っ込みになっているか確認しましょう。

 

ハンドルスイッチ側はこんな感じ。

画像の通りタイコ本体から若干イモネジが露出しますがスイッチ側のクリアランスは問題なく装着できます。

ワイヤーの太さに対するクリアランスがかなりギリギリに制限されているので一度2mmのドリルで軽くさらいました。

 

後はワイヤー本体に変なねじれを起こさないように仮組みしていたハンドルスイッチからケーブルASSYを一度取り外し、キャブ→ハンドルスイッチの順番で取り付け直して完成です。

 

まさに自分で言わないとわからない地味な仕上がり。

とはいえ一発目のエンジン始動時にほぼ必ず使うのでその恩恵は非常に大きいです。

 

一度でもチョーク周辺で怖いなぁと思う経験をした方、出来るだけ手早くチョーク操作をしたい方は是非この移植を行ってみませんか?